2017年10月にフルモデルチェンジした日産リーフに試乗してきました。グレードは最上級のGで、プロパイロットやプロパイロット パーキングなどを標準装備。インテリジェント ルームミラーと呼ばれる、後部カメラの映像をルームミラーに映し出す機能(後ろの車のハイビームが眩しい時に操作するレバーで普通のミラーにもなる)など、先進装備満載のグレードで、価格は399万円。我が家にはPHVのBMW330eがあるのでモーター走行はいつもしているのですが、純EVは初体験だし、アクセルペダルのみで停止まで減速できると言われるeペダルには興味津々で試乗に臨みました。
日産は組み上がった新車を最終検査する作業を、その資格を持つ作業員ではなく「準」検査作業員が行っていたこと、その事実を発表後もまだ準作業員が行っていたということがあり、ちょっと「あれ?どうした?」となっているところです。日産ディーラーに着いて車を降りると女性スタッフが挨拶に来てくれたのですが、その方が「こういった問題がある中ご来店いただき、ありがとうございます」と言ってくれました。車が悪いワケでも、販売店の方が悪いワケでもないと思うのですが、大変ですね、と返しておきましたが、本当にそう思います。会社の偉いさん共は早く問題を解決してほしいものです。
今回は動画もありますので、合わせてどうぞ。後半にはプロパイロット パーキングによる自動駐車もあります。
さて、では新型リーフに試乗です。乗り込むとシート高がけっこう高いなーと感じました。一番低いポジションですが、ハッチバック車としてはけっこう高め。座り心地はジャージのような織物の感触が良く、奥に芯はあるけど表面はふんわり、といった感じ。シフトレバーの操作方法のレクチャーを受けて出発です。
まずはeペダルOFFで乗ってみますが、モーター走行ということで無振動で「スーッ」と加速するのは気分が良いですね。330eの場合はトランスミッションとモーターが一体化しており、モーター走行時でも変速するんですね。なので本当にわずかですが変速しているのが分かります。それがリーフの場合、ギヤは固定式でリミッターが働くまで変速しないで走ることになり、文字通り「スーッ」と速度が伸びていく感触。フル加速は試すことができませんでしたが、150psという十分なパワーと、32.6kg-mという大トルクなので町中では余裕ある走りでした。モーターの高周波音は低速時に少し聞こえますが、30km/hくらい速度が出れば他の音で聞こえなくなりますね。
この時のブレーキのタッチはしっかり手応えがあり、踏み込み量に応じて減速するタイプです。よって乗り始めた直後は「思ったより踏まないと止まらない」と感じますが、すぐに踏めば効くことが分かるので問題なし。回生ブレーキとパッドによるブレーキを使い分けていると思われますが、ペダルの感触や減速具合に変化はなく、踏めばその分だけ効く、という感じです。330eは走行モードによって低速時のブレーキタッチに変化があり、これはいつまで経っても慣れない、静かに停止できないということに繋がり、フィットハイブリッドもプリウスPHVも今回のリーフも、日本の車は低速時のブレーキ制御が自然で使いやすいなーと感じる部分だったりします。
乗り心地については、かなり柔らかいです。段差を超えても体に伝わるショックというのは非常に少なく、これは表面が柔らかいシートの効果もありそう。しかしフワフワした感触はあまりしないので、ダンパーの縮み側はけっこう強いのかな?と想像しました。コース的に試すことはできませんでしたが速度を上げて曲がるとロール量は多そうなので、コーナーではまず減速、少し早めに車の曲がり具合とロール具合を確認しつつハンドルを切り込んでいく。そしてコーナー終盤からはモーターのトルクを楽しみつつ加速してクリアするような乗り方が似合いそう。
作動音が静かなEVということで、ロードノイズの遮断にはかなり気を使っていると思われます。車内は非常に静かで、音楽でもかけないと営業さんとの会話が続かない場合は気まずい雰囲気かもしれません。今回私は楽しく話せる営業さんで良かったw
そして一番気になるeペダルをONにすると、その時点てアクセルを離していればググッと減速し始めます。0.2Gの減速をするということですが、これがどのくらいの減速感なのかを言葉で表すのは難しいですね。60km/hで走行中、前の車のストップランプが点灯したから自分も少しブレーキを踏むか、というレベルではありません。その車が減速し始めたからこっちも減速する、というレベル。この減速は一定で続くので、最後はそのまま停止することになります。アクセルを離しているだけで停止までするので、停止時もブレーキを踏む必要はありません。そしてアクセルを踏めば走り出すのですが、eペダルONの時はアクセルは多めに踏まないとモタモタっとした加速になります。アクセルペダルのストロークの内、最初の1/5くらいは減速ゾーンで、それ以降は加速ゾーンという感覚。
交差点を左折したい。信号青、歩行者無し。この場合は停止することなく減速して曲がり、その後加速するという流れですが、これだと1ペダル走行はだいたいイメージ通りにできました。しかし赤信号で停止する場合、集中してコントロールしようとしているにも関わらず、「あ、このまま減速すると手前で停まるな」と、少しだけアクセルを踏み直し、位置を調整してから戻す、というパターンが何度かあり、この「踏み直す」という動作をまったく無しに思った位置に停めるのはかなりの練習が必要っぽいです。
また、60km/hで走行していても前の車がやたらブレーキを踏み、さほど減速しないのにストップランプが点いたり消えたりを繰り返すことがあると思いますが、これに釣られてアクセルを離すとけっこう減速してしまいます。そうすると自分の後ろの車にも迷惑がかかることに。ブレーキペダルを踏まなくても一定の減速Gからストップランプは点灯するそうなので追突されることは無いと思いますが、スムースな交通の流れを乱す原因になりかねません。試乗中に何度かやってしまい、後ろの車には「なんだこいつ」と思われたかもしれないですね。そして私はアクセルを離した瞬間、「あ、離しちゃった。減速がくる」と身構えることができますが、隣の営業さんは前のめりになってしまいます。申し訳ない・・・
前の車のストップランプが点いたら、こちらもブレーキペダルに足を乗せてその後に備える、というのが私の基本であり、クセというか反射的に行っているものです。これを「アクセルを数センチ戻すだけにする」にするにはかなりの時間かかるのではないかと思います。しかも練習は後続車に迷惑をかけるワケにもいかないので、やるなら後続車のいない、あるいは車間距離が長い場合のみとなり、なかなか難しいと思ってみたり。1ペダル走行は面白いし練習したいという気持ちもありますが、自分のクセを治すほど練習できるか?車を乗り換えると無意味になるのでは?と考えると、eペダルはOFFで乗っていればいいような気がしてきました。
自動駐車のプロパイロット パーキングも2回試しました。動画では1発で成功した2回目の場面を使い、1回目は3回切り返したのですが、アクセル、ブレーキ、ハンドルのすべてを自動で行うプロパイロット パーキングは新鮮で、特にハンドルはグリングリンと素早く動くので驚きます。日産のプロパイロット パーキングは駐車場の白線をカメラで認識しており、この方法だと周りに車がいなくても駐車可能。観察していると白線を踏まないように動いているみたいで、他の車さえいなければ白線は踏んだ方が楽に駐車できるんですけど、1回目はそのせいで切り替えしているように見えました。メーカーによっては壁や他の車を認識して基準にするパターンもあり、こちらは左右に他の車がいないと作動しないことになります。左右に他の車があり、どちらかが白線の真ん中に停まっていない時に、白線方式だとあくまでも白線の中央に停める(どちらかが狭く、反対は広くなる)と思われますが、車を認識する場合は白線を無視して左右の車の中央に駐車するのでしょうか?どうなるのか実験してみたいのですが、時間や周囲を気にせず自由に実験するのは難しそうですね。駐車にかかる時間は1発で決まれば実用的な速さですが、営業さん曰くその確率は50%くらいだそうです。
eペダルの話が長くなりましたが、基本的な部分はひたすら静かでソフトな乗り心地の車だ、というのが印象的です。ここ最近試乗した中で一番ソフトで静かでした。EVはバッテリーを床下に並べており、これによって重心はけっこう低かったりします。なのでSUVやミニバンに比べて柔らかいサスペンションでもロールは少ないのかもしれません。パワーは十分どころか余裕があると言っていいレベルなので、リーフの運転を楽しむなら、音楽でも聞きながら流して走る、コーナーでは早めに減速して立ち上がりの加速を楽しむ、というのが良いと感じました。
次回は画像でインテリア、エクステリアを見ていきたいと思います。
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