ぐっどすぴーど

40過ぎのオジサンが車の試乗をして感想を書くblog。youtubeで動画配信もしています。2022年9月、MT車に乗りたくてNDロードスター NAVY TOPを購入しオープンドライブを楽しんでいます。

MINIとDCTは相性抜群!F56クーパーS LCIモデルに試乗

calendar

reload

MINIとDCTは相性抜群!F56クーパーS LCIモデルに試乗

マイナーチェンジしてトランスミッションが7速DCTとなったMINI 3ドア(F56)クーパーSに試乗。私の愛車であるF54クラブマン クーパーSDと、どこがどのくらい違うのか?楽しみにしていました。

動画もありますので合わせて御覧ください。

2018年5月のマイナーチェンジ(BMWグループ的にはLCIと呼ぶべきか)を軽くまとめると変更を受けたのは3ドアと5ドア、そしてコンバーチブルのガソリン車です。ワンの1200ccエンジンは1500ccとなり、これはクーパーと共通ですがパワーが絞られたもの。トランスミッションはガソリン全車6速トルコンから7速DCTに。それからクーパーにナビ標準化、といったところでしょう。旧モデルからカタログ燃費が悪くなっていまるのは・・・はて?7速DCTの伝達効率が悪いことは無いと思うのですが、ここはよく分からないところです。

標準価格はワンの場合8万円アップ。クーパーはATが26万円、MTが22万円アップ。クーパーSはATが16万円、MTが12万円アップ。クーパーの値上げ額が大きいのはナビ標準化のせいでしょう。ちなみにナビが付くとなぜかセンターアームレストがセットで付いてきます。

では試乗です。クラブマンとクロスオーバーには試乗したことがありますが、3ドアと5ドアは乗ったことがありません。コンパクトボディの3ドアはこれぞMINIだ、と思えるバランスでステキです。クラシックミニに比べればデカイけど、全長と全高、ボンネットとキャビンの比率、テールゲートの角度などのバランスが近いんですよね。ちなみに私は実用性重視でクラブマンを買いましたが、クラブマンの「ちょっとアンバランスな感じ」も好き。

ドアを開けるとガラスが少し下がり、閉めると元の高さに戻るのは3ドアだけらしいですね。いや、コンバーチブルもか。コンパクトなボディーですが3ドアは流石にドアが長く、狭い場所での乗り降りは窮屈な姿勢を余儀なくされるでしょう。86などのスポーツカーよりはマシですけどね。シートはオプションのレザーですが、BMWのダコタレザーっぽい、厚く強そうなタイプ。しかしただゴツいだけではない肌触りの良さも兼ね備えており、さらにツルツル滑ることもない、なかなかよくできたレザーでした。座り心地は明確に固めで、他のMINIと同じクッションでしょう。

エンジンをかけるとJCWを少し大人しくしたような太くヌケの良い排気音が聞こえ、期待が高まります。シフトはデザインが変わりましたがBMWと共通の操作ですから問題無し。握って一回手前に引いてドライブ。ハンド式パーキングブレーキを解除してスタート。

スポンサーリンク

DCTは低速でガクガクせず滑らかに走るか?と出始めの頃は言われていましたが、今はそんなこと考える必要は「ほぼ」ありません。トルコンと比較しても遜色ないスムースさです。「ほぼ」と書いたのは、停止から発進する時にわずかにグッと出る気がしたからですが、これは少し丁寧にアクセルを踏めば問題無し。適当な踏み方をするとそうなる、という感じでした。MINIは湿式DCTを採用しており、ストップ&ゴー、低速でのシフトチェンジや耐久性は乾式より優れているはず。製造コストはかかりますが、そこはBMWグループなのでケチることはしないみたいですね。メンテナンスの費用は最初の車検まではメンテパックで無料でしょうから、5年後くらいにどうなるか?DCTのオイル交換ってどのくらいするものか私には分かりません・・・

走り出してしまえばショックなど一切無く、素晴らしいシフトチェンジを披露してくれるDCTですが、その真価を発揮するのはマニュアルシフトする時です。試乗車にはオプションのパドルが付いていましたが、操作してからの反応速度と実際に変則を終える速度、どちらも素晴らしく速いです。専用チューニングされたトルコンのJCW並みに。そう考えるとトルコンでDCTと遜色無いダイレクトで素早い変速をするJCWも凄いのですが、それは置いておいて、キビキビ走るのが得意なMINIにマニュアル操作で気持ち良く反応し変速してくれるDCTは相性良し!と断言できます。それでいて流して走らせても違和感ゼロなのが素晴らしい。

気を良くしてマニュアルモードのままアクセルを踏み込み、引っ張ってシフトアップしてみると「ボフッ」という息継ぎのような音が小さく聞こえました。走行モードはノーマルのままで、実はスポーツを試すのを忘れていたのですが、クーパーSでもこういう演出ってあるんですね。音の変化は気分を盛り上げる大きな要素ですからスポーツモードを試し忘れたのは悔やまれます・・・私のディーゼルクラブマンはスポーツモードにするとドロロロッとビート感のある音に変化します。しかしシフトアップ、ダウンの時に息継ぎ音やバブリング音は無く、これがあるガソリン車は羨ましい・・・人工的でもいいから欲しい音です。追記:youtubeの動画に前期型オーナーの方からコメントがありました。「マフラーの音は前期型だともっと静か」とのことで、営業さんも言うようにメーカーからアナウンスは無いけど排気系に変更を加えてスポーティーな音に調整してあるみたいですね。こういったオーナーさんのコメントというのは本当に参考になり有り難いものです。

乗り心地とハンドリングについては、クラブマンと近いものがありますね。もっと固くてもっとギュンギュン曲がるかと思っていましたが、クラブマン比較で少し固く、少し鋭く曲がるという感触でした。普通の車と比較するなら、嫁さんのDJデミオに比べれば足回りはかなり固く突き上げはそれなりにありますし、ハンドルを切ってから車が曲がり始めるまでのタイムラグとロールは非常に少なく、瞬時に向きを変えて曲がっていくような感覚となります。公道で馬鹿みたいに飛ばして走るのはNGですが、ちょっと飛ばして走らせると車が「待ってました!」と言わんばかりに生き生きと走ってくれるのがMINIの面白いところ。3ドアを基準にするとグラブマンはデカイ割に曲がるなーという感想になるかもしれません。そして考えなければならないのが高速道路での直進性です。私はボルボV60からクラブマンに乗り換えたワケですが、初めて高速道路を走らせた時、「ちょっと修正舵が多くなるなー」と感じたんですよ。ステアリングの遊びが少なくグイグイ曲がるクラブマンは車線の中央を維持するのにちょこちょこ修正舵を入れる必要がありました。横風なんてほぼ感じませんし、安定性としては100km/hプラスαなんて余裕もいいところなのですが直進性というのは鋭いハンドリングが仇となる部分。不思議なもので3回ほど高速道路を走ると気にならなくなってきたので慣れも大きいかもしれませんが、クラブマンよりホイールベースが短い3ドアはそういう傾向が強いかもしれません。

どのくらい固い乗り心地まで許せるか?というのは個人差があると思いますし、車のキャラクターにも影響されるでしょう。私は自称車好きなので少々固い乗り心地でも気にしない面はありますが、それよりもMINIという車のキャラクターなら、この乗り心地くらいなんとも思わない。むしろ車を運転している、どんな路面の上を走っているのか実感できて良い。さらに飛ばせば水を得た魚のごとくキビキビ走るMINIのハンドリングも手に入るということで、このくらいの固さの足回りがベストじゃないかとすら考えています。そうは言ってもボディーとサスペンションの剛性が高いので衝撃はガッチリ受け止めてくれ、固いながらサスはちゃんと動いているので段差を超えても一瞬「ゴッ!」と感じはするもののさほど不快じゃないんですけどね。

エンジンについは、BMWのB48A20Aに文句は無いでしょう。回転のスムースさ、音、パワーの出方、どれも高いレベルで達成されています。普段ディーゼルエンジンのクラブマンに乗っている私としては、回転のスムースさと速度の伸びが良いガソリンエンジンの感覚は気持ちよく、3ドアのキビキビした走りにマッチしているように思えます。そこにDCTによる高速シフトが加わるので、この3つの要素が走る楽しさをより強く感じさせてくれるのでしょう。ま、ディーゼルにも違った楽しさがあり、目玉焼きにかけるのは醤油が好きか、ソースが好きか、どっちも好きか、みたいな感じなのだと思いました。これについてはまた別の機会に書いてみたいと思います。

というワケでMINI 3ドア クーパーSのマイナーチェンジモデル試乗でしたが、目玉であるDCTはMINIのキビキビした走りに相性良しでした。ゆっくり走らせても違和感無いので走りはいいし、外観ではユニオンジャックを模したテールランプがシャレているし、良いマイナーチェンジだと思います。そして実物を見て乗った3ドアのMINIは、やっぱカッコイイ。スタイル的には3ドアが好きなんですよねー。あのギュっとしたスタイル、キビキビ曲がるハンドリングと音の演出も抜かりない高性能高品質なエンジン、それを影で支えるDCT。372万円の車両価格は相当に高いのですが、惚れてしまったら仕方ない。そう考えてしまう魅力があるのがMINIですね。反対に「絶対的な性能はそこまで高くないこの車に372万は高すぎる」という人がいるならそれも理解できます。クーパーなら312万円まで下がるので、それはそれで魅力。

今のところディーゼルモデルは変更が無くトルコンのままですが、今後はどうなるんでしょう。ディーゼルはトルコンと相性が良い気がしますが、1つに絞った方がコストが下がりますからねぇ。BMWの次期1シリーズはFFになるらしいので、そのガソリン車にDCTを使えばけっこうな台数が売れ、トルコンと両方使い分けられるのかも。それが可能なら理想的な気がします。クラブマンももうすぐマイナーチェンジ版が発表されるらしく、ユニオンジャックテールにはならないけど流れるウインカーが採用されるらしいので、今後もMINIから目が離せませんね。

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す