ぐっどすぴーど

40過ぎのオジサンが車の試乗をして感想を書くblog。youtubeで動画配信もしています。2022年9月、MT車に乗りたくてNDロードスター NAVY TOPを購入しオープンドライブを楽しんでいます。

鈴鹿で行われたマツダ ドライビングアカデミーに参加 座学、実技、プロレーサーの運転に同乗できて充実した1日でした【後編】

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鈴鹿で行われたマツダ ドライビングアカデミーに参加 座学、実技、プロレーサーの運転に同乗できて充実した1日でした【後編】

2024年4月13日に鈴鹿交通安全センターで行われたマツダ・ドライビング・アカデミーに参加したというお話の後編です。前編はドラポジの話と午前中に行ったフルブレーキング練習&白線踏み、そしてタバコ休憩中にi-DMが5thステージだと告げたらマツダの方に「初めて5thの人に会いました」と驚かれたという内容でした。午後はそのi-DMで青ランプを狙って点けるコツを学ぶことになり楽しみです!

まずはi-DMというのがどういうものなのか、採点基準はどうなっているのか、どういう運転をすると加点である青ランプにるのかという座学からですが、サラッと説明するとアクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をする時、同乗者の首がスーッと揺れるような操作がヨシとされ、ガクッと揺れるのはダメという判定になります。ガクッと揺れるのがダメなのは分かりきってますが、スーッと揺れるって何?揺れないのが良いのではないのか?って話ですね。別に揺れないのが悪くはないのですが、それだとスピードが遅すぎてイライラするし楽しくないんです。カッ飛ばすのは事故のリスクも高まるのでいけませんが、ある程度スピードを出し車を滑らかに走らせることで運転手は人馬一体を感じ、運転していない同乗者にすらそれを感じさせるのを目標としてi-DMは作られている、とマツダのドライビングインストラクターである小坂さんが熱く語ってくれました。

小坂さんはi-DMは欠陥も多く、スピードバンプで白判定を出したりすると話していましたが、私はスピードバンプや段差で白になったことって無いような気がします。それから個人的に面白かったのはi-DMはGセンサーで判定しているのではなく、スピードやアクセル開度、ブレーキスイッチなどのデータからGを予測して判定しているという話。てっきりGセンサーだと思っていましたよ。しかし加減速はそれでいいとしてもハンドルはどうなんでしょう?舵角センサーでも無ければ横Gは計算できませんよね。

i-DMで青判定を出すポイントは予備動作+ある程度のGです。これから加速する、ブレーキをかける、ハンドルを切る、というサインを同乗者に送ってあげるよう、最初はじわっと、そこから徐々に踏み込んだり切り込んでGを強めていくと青ランプが点灯。その後は一定をキープし徐々に戻すのですが、戻し方が荒いとそれはそれで白判定になります。説明を受けた後、定常円を行うグループ、パイロンスラロームを行うグループに分かれ実習に入り、私は定常円からでした。

スケジュール表に「i-DM定常円旋回・スキッド(低μ路面でのコーナーリング)とあったので、たまに見る水を撒いたタイルの上を滑らせて走るヤツが体験できる!楽しみ!と思っていたのですが、普通のアスファルトにパイロンが置いてあってそこをクルクル回るドレーニングでした・・・残念。

パイロンは2つ置いてあり、これを自由なルートで走りつつi-DMがどんな判定をするか確認するというものですね。コースがわりと狭いので5thステージだとブレーキで青を点けるのはたぶん無理で、主にハンドルで青を狙うことになるのですが・・・難しいです。白か緑ばっかりで、たまーに青という感じ。ハンドルを切り始める時はゆっくり、その後ググーッと切り込んでいくというのが分かっていてもなかなかできないんですよねー。戻す時も同様で、こちらは切り込む時よりさらに難しい気がします。これ3rdステージだと青になるのかな?私が5thステージになったのは半年前で、3rdステージだとどんな判定だったのか忘れちゃいましたが、白が出づらいだけで青になるのは3rdも5thもあんまり変わらないような気がする。まぁ当時はステージを上げるのが目的で、アクセルで加点を狙いブレーキとハンドルはひたすら緑で走っていたので、ハンドルで青になる条件を覚えていないのは当然かも。

1つ発見できたのは、けっこう横Gがかかっても一定なら白ではなく緑判定だということ。つまり普段の走行でハンドルの白を出した時は、Gのかけすぎではなく急な操作という判定だったのでしょう。速度とカーブの角度によって横Gはかかるのですが、その時の最大Gは少しくらい大きくなっていいから、そこに至るハンドルの切り方を覚えればハンドルで青が狙える可能性が出てきます。ただアクセルとブレーキは良い操作をすると即座に青ランプが点くところハンドルは少し遅れて青になるので、交差点の左折くらいではいくらスムースにハンドルを切ってGをかけても時間が足らなくて緑になるか、急操作になって白になるリスクが高い気がします。

少々退屈な定常円が終わり、パイロンスラロームがきました。これは面白かった。

コースが広くなり、ゼロ発進加速とブレーキで青ランプを狙う区間と、パイロンスラロームでハンドルの青を狙うトレーニングが両方できます。定常円無しで全部これでいいような気がする。タバコ休憩でいっしょになって雑談していた交通安全センターの方がスタートの合図をしていたので、私の番が回ってくると「ステージ5の実力、見せてください(笑)」とプレッシャーをかけてくれますw でもなんかレールガンのLEVEL5の実力、見せてもらいますよみたいな感じで気持ちいいw

アクセル&ブレーキは5thステージでもで青が出ます。特にスタート直後はそれなりの距離があるのでやりやすいですね。距離が短い方は難しいです。そしてスラロームでのハンドルは・・・かなり難しいですがメチャクチャ上手い人なら出せるのかも。私は4回チャレンジして青は1回だけ、後は緑か白ばっかりだったような気がします。スラロームってハンドル操作もですがコース取りが大切なので、ずっとメーター見てる訳にもいかないんですよね。

スラロームはレーサーの小俣選手がゴール地点で見ていてくれて、終わったところで「どうですか?青になりました?」みたいに聞いてくれるので、緑と白ばっかりですねーと返すのですが、2回目もそう返すと、「いい感じに走れていると思いますけど、ステージいくつですか?」と聞かれたので5ですと答えたところ、「5なんですか!?それは難しいというかほぼ無理ですね。ではランプを気にせず、減速しながら切り込んで、アクセル踏んで戻していくのを意識してみましょう」とアドバイスしてくれました。これを意識して走るもランプは緑と白ばかりでしたが、加減速とハンドルがなんとなく同調できているように思え、リズム的には気持ちよく曲がれている気がします。小俣さんも「外から見ていて良いリズムで綺麗に走れていると思います」と言ってくれたし、もうランプには拘らないぜw

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そうこうしているとマツダの若いスタッフさんが隣に乗ってくれてアドバイスしてくれました。ゼロからのスタート時はタイヤの半転がりを優しく動かすことを意識するといいそうな。なるほど、0.5秒とか言われるよりも分かりやすい。そしてマツコネ画面を見て5thステージというのに驚き、小坂さんに隣に乗ってもらいましたか?まだなら僕がお願いするので是非同乗してもらってください」と。マジかっ!それは嬉しいが、緊張しますね。

ということで小坂さんに助手席に乗ってもらいこのコースを1周するのですが、シートベルトをしながら「5thステージは判定基準を意地悪なくらい厳しくしているから楽しくないんですよね。3rdステージが楽しいと思います」と小坂さん。全くその通りだと思います。緊張から少しミスったけど1周すると、「まずドラポジを少し直しましょう。ハンドルチルトを一番下げてください」と。ハンドルはなるべく低い位置のあった方が楽に操作できるアレですね。一番下げるとタコメーターの上の方にハンドルが被って見えないくらいの位置なのですが、これで走ると確かに操作しやすい気がします。通常はこれで終わりのところ小坂さんが「このポジションでもう1周いきましょう」と言ってくれて2周目へ。スラロームでは助手席の人とダンスを踊るイメージでGをかけるというアドバイスをもらいました。ダンス・・・したことないからよく分からんw でもたぶん予備動作から本格的にハンドルを切り込んでGをかけていくと、助手席の人の首はガクッとならずスーッと傾いていくはずだから、自分の操作、車のロール、助手席の人の首の動きがシンクロするように、という意味なのだと解釈します。小坂さんからも「かなり滑らかに操作できています。ハンドルを切って横Gをかける時、車の曲がろうとする力を感じながら切り込むといいですよ」みたいなアドバイスをもらった気がしますが、緊張しててはっきり覚えてないんですよね・・・

これでパイロンスラロームは終了。ここまでの収穫は・・・ダンスというのがイメージとしては新しい発見でしたが、技術的には何か掴んだ!とはならず、その一歩手前みたいな感じです。元々アクセルとブレーキはチャンスがあれば青が出せるし、ハンドルもこういう操作をすれば青になるんだろうなーというのは分かっているんだけど、できない状態ですからね。

そして最後のトレーニング、パイロンで作られたミニコースを好きなペースで走る!というもの。下手糞ですがコースもイラストで描いてみました。(笑わないでほしい・・・)

だいたいこんな感じのはず。これね、コース全部パイロンで仕切られているのではなく、路面の白線もコースに使われているので覚えられるか不安でしたよ。コースを覚える為に2周ゆっくり走ったおかげでなんとか覚えられましたけど。まずはプロレーサーの方がロードスターとCX-60を運転し、このコースを全力で走るデモンストレーションですが、それなりにデカいCX-60で、しかもマツダのスタッフが3人乗った状態で小さなコースを走るのは凄い迫力です。タイヤの鳴く音がロードスターは軽いけどCX-60は重いんですw マツダさん曰く「走る楽しさはSUVにも詰め込まれているんだ」とのことですが、似たサイズの他社のSUVならどうなるのか見てみたいですね。

そして参加者が順番に走っていきます。4回くらい走るチャンスがあるので、まずはゆっくり様子見、そこからペースを上げていきましょう。ロードスターの場合は全部1速で走ることになると思いますが、一般道ではなかなかできないGをかけてもタイヤは鳴かないし車は安定して曲がっていくんですよ。これ、もっとペースを上げてもいいんだって感じです。こりゃ楽しい!

運営側のカメラマンさんが撮ってくれた私。こうして見るとまーまーロールしていますけどタイヤは鳴いていません。ドラレコのデータによるとこのあたりのコーナーで速度は23km/hくらい、横Gは0.7前後でした。時折タイヤを鳴らすほどの速度で曲がる方、リズミカルに走る方などドライバーの個性が出るので順番待ちで見ていても楽しかったです。私としては普段できない無茶をするのも楽しそうだと思うものの、目指すのは滑らかな走りですからこちらに重点を置いて走りました。それでも普段は感じない横Gがかかっているのにスイスイ曲がっちゃうロードスターは凄い!

そしてメインイベントの1つであるプロレーサーのドライビング体験。ドライビングスクールが用意した赤のロードスターを加藤選手が、白を小俣選手が運転し、それに同乗してこのコースを全開で走ってもらうというもので、非常に刺激的でした。私は最初が加藤選手だったのですが、1コーナーへの飛び込みが速い!なのにスーッと曲がり初め、自分で運転するよりもずっと大きなGがかかりコーナーリング中はタイヤ鳴きっぱなし。なのにスイスイ曲がっちゃうんですよ。ライン取りがシビアなのも必見でした。この狭いコースでスピードを出すのだから外のパイロンにしっかり寄せて内に切り込むのはゲームでもやっていれば分かりますけど、ホントスレスレまで外に寄せ、切り込んだ時は後輪がパイロンの根本を踏むくらいギリギリを普通に走っちゃうのがスゲェ!横からハンドル操作を見ていると素早く切っているはずなのに早く見えない不思議な感じです。車を降りると平衡感覚が狂って足元がゆらゆらするくらい激しいGの連続でしたが、後で考えると気持ち悪くはなかったのがプロの技術なのかも。

続いて小俣選手の横に。乗り込むと「あなたは5ステージでしたよね。では速いんだけど滑らかに走れるというのをお見せしましょう」とメチャクチャカッコイイ言葉が。でね、やっぱりスタートからドン!って加速はしなくて、スーッと走り初めるのにいつの間にか全開加速、ブレーキもドンッ!と踏み込まないのにいつの間にかしっかり減速。ハンドルも同じく切り始めは穏やかなのに次の瞬間にはしっかり切れているという感じなんです。確かにこれなら速いのに滑らか。i-DMはコースが狭いので急操作判定をするでしょうけど、助手席に乗っている私はずごいGなのにちょっと快適ですらあるのです。速さを極めるプロの運転はコンパクトなコースでもレベチだと実感しました。

あと加藤選手か小俣選手のどちらが言ったのか忘れちゃいましたが、「コースを速く走ろうとすると速くハンドルを切りたくなるものですが、実際にスピードが出ている時ほどゆっくり切ってあげないといけません」というのが私の梅干しサイズの脳みそに落雷した如く響きました。確かに高速道路走ってる時に急な操作はしないよなー。でもミニコースではハンドルはそれなりに切らないとハイスピードで曲がれない。この矛盾を体現できるから同乗してハンドル捌きを観察するとゆっくりに見え、車は凄いスピードで曲がれるのかもしれない。これ発見です!

マツダ社員さんが解説で、プロレーサーの「再現性」という話をしていましたが、外から走っている姿を見ていると凄く納得でした。プロには「ここは上手くいった、ここがミスった」というのが無くて、20人の参加者を乗せるのなら20周する中、常に同じラインと操作で走らせるというのが再現性。凄く細かいレベルで見れば多少の差はあるのでしょうけど、素人には分からないレベルで同じことを繰り返すことができるのがプロである、と。i-DMに置き換えるなら、あるコーナーを10回曲がった時、ランプの色にバラつきがあるのが素人であり、プロなら全部青が出せるということですね。まずは青になるコツを掴み、それを何度も再現できるドライビングを目指せ、といったところでしょう。

これですべてのカリキュラムが終了した訳ですが、この後ちょっとしたサプライズがあり、それが終わったら再び会議室でまとめとお土産をもらって解散となります。6時半に家を出て、すべてのカリキュラムが終わったのが18時くらい。この時点で休憩もそれなりにあったけど12時間くらい車で遊んで、そこから下道2時間で家に帰るのに疲れているかなーと思ったけど、意外に余裕でした。やっぱロードスターって運転しやすくて楽なんですよ。起床が早かったので夜は布団に入ってマッハで落ちましたけど、正しい知識を学び、実際に自分の車で練習し、プロの運転も体験できるという非常に充実した1日でした。16500円の参加費なんてこの内容なら破格の安さだと断言できます。こういうのに参加する人はやたら高くない限り費用のことなんて気にしないと思いますけど、やっぱ貧乏人に16500円はまーまーの額なんですよ。それを破格の安さだと思えるくらい、濃くて充実した内容だったのです。

これで2024年4月13日に鈴鹿交通安全センターで行われたマツダ・ドライビング・アカデミーの感想はお終いです。次回、このアカデミーに参加してi-DMのハンドルで青ランプを点けるコツが分かったというお話をしたいと思います。速度は比較にならないけど、スムースな運転がレーシングドライバーに近づけるコツをマジで掴んだかもしれない。

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