非常にデキがいいと評判のスバルXVに試乗してきました。グレードは2.0i-S EyeSightというフラッグシップモデルで価格は267.8万円。
まずはシートポジションを決めるのですが、2Lモデルはパワーシートなんですね。このクラスとしては珍しい装備ではないでしょうか。(メモリー機能が無いのでちょっと微妙だけど・・・)ステアリングはチルト&テレスコピックでポジションはバッチリ決まります。
まずは店舗からちょっとした段差を超えて車道に出るのですが、スルリと滑らかに段差を超えていくXVはこの時点で「きっといい車だなと」期待させてくれます。速度が60km/hくらいで橋と道路の継ぎ目を超える際にはボディ剛性の高さがはっきりと感じられ、突き上げ、揺れは非常に少なくクリア。サスペンションが素早く正確に動き、ダンパーの減衰力も的確に感じます。ではコーナーリング時のロールが大きいのかと言うと、少しはロールするけど粘っている、どっしり安定しているという感覚が強く、不安はまったくありません。私の感覚ではCH-Rやヴェゼルの方が舗装道路でロールが少なくてキビキビした走りを重視しており、XVはそれよりも悪路を走ることを意識し、ストローク長めの足回り。なのでショックを吸収する能力は高く、その分ロールはやや多めになるといった感じ。
エンジンは振動少なく低回転からそこそこのトルクを出しており、良い仕事をしていると思います。音は十分に遮音されていますが、聞こえてくる音質も悪くありません。今回の試乗では今までよりアクセルが踏めなかったので、回すとどうなのかは予測になってしまいますが、回しても嫌な振動が出たり、悲しくなる音が響き渡ることはないと思います。150psというパワーなので実用面で不満は感じないでしょうが、イザという時のパンチ力はそれなりでしょうね。CVTはと言うと、流れに合わせて加減速しているだけならまったく気になりません。それで効率が良いのだから普通にいけば文句は無いでしょう。しかしそこそこ加速しようとすると、やっぱり回転と速度の上昇に違和感があり、相変わらず好きにはなれないというのが率直な感想です。
悪路の走破性は一般試乗で試すことができませんが、フロントのタイヤハウス内が広いのが印象的で、いっぱいにハンドルを切った状態でサスペンションが激しくストロークするような状況まで想定しているみたいです。最低地上高200mmはライバルであるCH-RやCX-3よりも40mm程高く、マフラーは完全にリヤバンパー下部より中に収められてるなど、XVの悪路走行に対する本気度はかなりのもの。これまた私の勝手な想像ですが、オンロード:オフロードの重視割合がCH-Rやヴェゼルは85:15だとすると、XVは60:40くらいな気がします。ラングラージープやジムニーは30:70くらいのイメージなのですが、どうでしょうね。
CVT以外で走りに関しては完璧と言っていいほど良かったです。土台となるシャシーが高剛性で、エンジン、駆動系、サスペンション、すべてのメカ達がきっちり仕事をこなしている。路面の凹凸、ザラつきは見事に取り払われた乗り心地。スムースに動いているエンジンと駆動系。ロードノイズも静かな部類と、とても上質な走りだと思いました。
それプラス、よりアウトドアシーンで映えるデザインと高い最低地上高、スバルのAWDは優秀というイメージ(youtubeなどで悪路を走ったり、綱引きしているスバル車は優秀)により、アウトドア派の方には最高のコンパクトSUVだと思います。ややゆったりした乗り心地、ハンドリングもキャラクターに合っており、ブレがまったく無い車でした。燃料タンクの大きさもコンパクトSUVとしては大きめの63Lで、ロングツーリングでカタログ燃費の80%走れば750km走れます。これも何気に嬉しい点ですね。
いつものスペック表です。サイズや価格はどれも近い数値ですが、CH-Rだけ少し非力なんですね。やはり150psくらいは欲しいところですし、燃費も一番悪いというのはスペック比較だと苦しいところ。他にはCX-3が100kg以上軽いのが大したものです。
室内の仕上げも安っぽさは微塵も無く、高級感すら漂い、走りの上質さと合わせてこれが267万円(ナビは別)の車かよ・・・という感じの脅威のコストパフォーマンスでした。少しだけ難点を挙げるなら、パワーシートにメモリー機能が無い点。これはそんなにコストがかかるものではないと思うので欲しいところ。でなければ価格を下げて全車手動式調整でもいいと思います。
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