ぐっどすぴーど

40歳手前のオジサンが車の試乗をして感想を書くblog。youtubeで動画配信もしています。2017年12月、F54クラブマンSDとDJデミオディーゼルが我が家に加わり、家の車がPHVとディーゼル車になりました。

ミライの存在意義

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ミライの存在意義

今回はミライの装備と航続距離、ランニングコストと存在意義について考えてみたいと思います。

ミライはグレードが1つしかなく、かなりの装備が標準化されています。前回書きましたが電動パワーシートや電動チルト&テレスコピックステアリング、シートヒーターなどですね。しかし予防安全機能が付いてはいるもののセーフティセンスPやCでない点と追従クルーズコントロールが全車速対応でない点が残念。2015年発売から今までアップデートされないんですね。売れても利益が低そうだし苦しいかとは思いますが、「未来」の名に相応しくないのでアップデートしてほしいものです。あとは水素ステーションを表示できるナビは欲しい装備ですが、これはオプションで313,200円と非常に高額。30万って高性能なパソコンが買える額ですけど、クソ暑かったり寒かったりする車内での耐久性を考えるとパソコンと同等に考えてはいけないのでしょうね。

燃料の圧縮水素は2つタンクに蓄えられ、その容量は合計122.4L! 標準的な70MPaという圧力で充填すると4.6kgの圧縮水素が入り、JC08計測で650km走ることが可能となっています。122Lで4.6kgって異常に少ない気がしますが、圧縮水素は液体水素ではないので巨大なタンクでも重さにするとそんなものか。航続距離についてはガソリン車の燃費みたく実際には3割減くらいに思っておかなければならないでしょうから、そうすると455kmですね。それでもけっこうな距離を走れるものだ、というのが率直な感想。存在するのか今後できるのか分かりませんが、82MPaの水素ステーションだともう少し充填できるので走行距離が伸びるらしいです。タンクの容積は同じなのに圧力で入る量が変わるという液体燃料ではあり得ないことが普通にあり得るんですねぇ。

水素ステーションの数は・・・私の住む岐阜県の場合4箇所。この記事を書いているのは平日の昼間ですが、スマホで確認すると2箇所は休止中でした。と言うか岐阜県の4箇所は予約制。なのに休止中と稼働中に分かれるのはどういうことなのか。そこは未確認ですが、水素の充填は専門スタッフが行うということで、そのスタッフが休日だと充填不可となってしまうのです。夜間も同様。ただでさえ限られた場所でしか充填できないのにこれは痛いところで、ちょっとしたレクチャーを受ければセルフで充填できるようになることを願います。また、大型トレーラーの荷台に給油機みたいなのを搭載した移動式水素ステーションというもの登場したので、充填できる場所が増える・・・かも。

気になる圧縮水素の価格ですが、ネットで調べると固定式水素ステーションで1kg 1100円、移動式ステーションで1200円と出てきました。では1kg 1100円計算で1kmあたりのランニングコストを計算してみましょう。比較として燃費が15km/Lのレギュラーガソリン車、ハイオクガソリン車、ディーゼル車も計算してみました。燃料の価格は全国平均であるレギュラー148円、ハイオク159円、ディーゼル126円。

結果から書きますと、ミライは1km走るのに11.37円でした。レギュラー車は9.87円、ハイオク車は10.60円、ディーゼル車は8.40円。リッター15走ればハイオクの方が安いのは意外。まぁハイオクでそんなに燃費の良い車というのも少ないと思うので、感覚的に水素の値段はハイオクくらいと思っておけば良さそうですね。

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水素で走るミライがエコなのか?と問われると、良いことは多そうだと思います。特に車が密集し車による大気汚染が深刻な地域(北京とか)だと排気ガスを出さないのは効果的で、この半分がミライになれば空気の汚れも半分になるはずですよね。有害物質が人間の健康を害する濃度以下に下がればOKという考えです。では地球規模で考えるとどうか?これは専門知識がないと答えるのが難しいですが、素人的に見ても圧縮水素を作るには電気が必要であり、その電気を作るにはCO2が発生するという問題が1つ。それからミライの122Lタンクに4.6kgしか入らない圧縮水素を運搬するというのは、4000L運べるタンクローリーに160Lのガソリンを入れて運ぶようなもので無駄が多いという2つの大きな問題があります。

まず圧縮水素を作る方法でですが、圧縮する前の水素を作る方法はいろいろあるみたいです。その用途も光ファイバーやガラスの製造、半導体、液晶パネル、LEDなどの製造時にも使われているみたいで、なかなか多いみたい。しかしそれを圧縮するには電気を使うことになり、エネルギーの消費とCO2が発生してしまいます。どのくらいの電力を使うのかはイマイチよく分かりませんが。

輸送に関しては、1回の輸送で160kgの圧縮水素を運んだとするとミライ約35台分で、この35台が455km走ると合計15,925kmとなります。ではタンクローリーがガソリンを4000L運んだとすると、タンク容量40Lの車100台に給油でき、車の燃費を15km/Lと過程すると・・・600km×100台の60,000km走ることになるワケで、水素を運搬する効率の悪さがかなりのものだと分かります。液体水素にすれば大量に運搬できるけど、水素を液体化させるのにはさらに多大な電力が必要。そうなると「もうコンセントから充電するEV車でいいのでは?」という考えが頭をよぎります。電気なら輸送に関しては今ある電線を使えばいいので、ここに使われるエネルギーと排出されるCO2はカットできますからね。FCスタック車が充電式EVと比較して優れている点は、バッテリー劣化による航続距離の低下を気にしなくて良い点と、EVなら充電に早くても1時間くらいかかるところを3分の充填時間で済ませられる、という点。これは大きなメリットですが、原子力発電や火力発電で作った電気で圧縮水素を作り、それをタンクローリーで輸送して車の中で電気を作るという長い道のりを考えると、発電所で作った電気をコンセントから車に移し走る方がシンプルなのです。

さて、いろいろ調べつつ書いてきましたが、私としてはトヨタのチャレンジ精神は凄いものがあり、よくこの車を市販化したなとは思います。しかし問題が多いことが分かってくると、現状、一般人が乗るFCスタック車は無理がある、という結論に達しました。家庭のガスみたいに圧縮水素も家から出て、自宅で燃料充填できたら面白いんですけどね。あるいは車にコンセントを挿し、水を入れておけば車の中で圧縮水素を作れる、とか。圧縮水素を空気中の酸素と反応させて電力を生み出すなら、電力が供給されれば水から水素を作り出して酸素を排出できる・・・はず。これなら水素ステーション問題も輸送コスト問題も解決ですよ!まぁ可能だとしてもハイエースのサイズで乗れるのは人間一人だけ。あとは全部水から電気を作る変換機になって、車重も4トンくらいあるかもしれませんけど。妄想的なことも書きましたが、そういう妄想をしたくなるくらい、まだ早い乗り物、なのだと思います。個人的には普通のセダンのデザインを捨てて、1千万円でもいいからぶっ飛んだ近未来的デザインで出せばよかったのだと思います。中身もぶっ飛んだ車なんですからね。シトロエン DSに「Numero 9」というコンセンプトモデルがあったのをご存知でしょうか?低くて長いシューティングブレークですが、そういう系で。販売台数も利益も望んでいないのですからイクとこまでイっちゃった方が面白そうですが、それをやらないのがトヨタらしいのかもしれません。

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