家の仕事に使っているハイエース(100系の14年落ち)が車検で、その代車が今年の11月登録という新車の200系ハイエースだったので少し乗ってみました。アウトドア派にも窃盗団にも人気のハイエースの走りはいかに?
代車のハイエースのグレードはDX6人乗りの標準ボディー。2800ccのディーゼルエンジンに6速ATの組み合わせでお値段298万円。ガソリン車だと50万円安いモデルもありますが、ディーゼルは廉価版でも約300万円。内装はどう見ても300万円の車には見えず半額以下のコンパクトカー並の質感ですが、電動ドリルでも無名ブランドの安物とプロ用のマキタとは中身が全然違うんだよ、というところでしょうか。
不思議なもので、よじ登って運転席に座り、ボンネットの無い開けた景色を見るとこの内装も別に悪くはないなーと思います。むしろ個人的にはウッドパネルとかになっているより全部プラスチックの道具感の方が好きだったり。
私は家のハイエースを運転することもあるのですが、乗り味は基本的に同じです。荷物を満載することを想定しているので空荷だと後ろがボコンと跳ねるような感覚、ダルくて曲がらないハンドリング、容赦なく侵入してくるエンジン音、横風に煽られて修正舵が必要など。新しいので車体はしっかりしていますが、それもセダンに比べれば上半分はグラグラでしょう。あれだけ広大な空間に柱が無いのですからね。
が、普通に乗るだけなら特別我慢しなければならないことは少なく、あの積載量が必要ならば「こういうものだ」と割り切ることも可能なレベルに収まっています。加速時にハッキリ聞こえるエンジン音はタコメーターなんか見なくても回転数や燃費が予想できるし、助手席の人と会話できないほど五月蝿いこともない。ダルいハンドリングもハンドルさえグルグル回せば曲がります。
そんな感おおらかな気持ちで乗れば多少のことは気にならないハイエースですが、アウトドアで使い倒す場合長距離を走ることも多くなるかと思います。この時直進性がイマイチなのは高速道路を走る時に疲れないか?というのが最大の懸念事項なんですよ。商用バンってハンドルの座りが悪いと言えばいいのか、轍に弱いのか、真っ直ぐ気持ち良く走っていたかと思うと、たまにチョロ、チョロとわずかに進路が乱れることがあるんですよね。無意識に修正してしまうので気にならないと言えば気にならないのですが、長時間の運転では疲労の蓄積に繋がるのかも。
トランスミッションが6速ATというのには驚きでした。4速だと思っていましたからね。いつから6速なのか調べてみると2017年12月モデルからみたいで、最近ではありませんか。それに伴い燃費が約11.4km/Lから13km/Lにアップ。価格も値上がりしていますが、4速から6速への進化は喜ぶべきポイントでしょう。我が家のハイエースはガソリンモデルですが、4速だとシフトは遅い、やたら引っ張るという懐かしい感じを楽しめますw このATのアップデートが10年以上販売されている200系ハイエース最大の変更ポイントですね。かなりローギヤだと思われる1速から2速へのシフトも現代的な速さとタイミングで行われ快適。ショックはエンジンが冷えている時は多少出ます。しかし気になって仕方ないというものではありませんでした。試していませんが高速道路で回転数を抑える効果もあることでしょう。
エンジンはと言うと1GD-FTVと呼ばれる総排気量2754ccの直4ディーゼルターボで、151psと300Nmというスペック。排気量が大きい割にパワーもトルクも少なめで、燃費も13km/Lというのは疑問に思います。商用車のエンジンということで耐久性を重視するとこうなるのかなぁ。ハイエースにMINI クーパーSDのディーゼルエンジンと8速ATを積むとどうなるんでしょうね?
最大の武器である積載量は、ボディーサイズが近いならハイエースに普通のミニバンが勝つのは不可能。広大な荷室空間を誇り、車中泊をするも良し、荷物満載でキャンプに行くも良し。私はどちらもしないのであの空間を遊び道具で満載にする想像がつきませんが、必要な人がけっこうな数いるからハイエースは売れるのでしょう。その為リセールが非常に高いのも特徴です。
色々書いてきましたが、荷物満載で出かけることがほぼ無い私には縁のない車ですね。我慢できないほど乗り心地と走りが悪いことはないけど、良くはない。たぶんノアやセレナはもっと乗り心地が良くて快適でしょうから、今後私の車にある程度の積載量が必要になったらそのクラスのミニバンを中古で買うと思います。どうもハイエースを運転していると仕事している気分になるので、これで遊びに行くというのが不思議な感じなのでした。
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