2018年7月9日、日産自動車は5つの国内工場で出荷前に行っている排気ガス検査で不正行為があったと(大雨による被害のニュースが多い中!)発表しました。社内検査基準を定めていたが、測定値を改ざんしていた、と。不正があったのは1171台。現時点ではカタログ燃費に誤りはなく、法令基準も満たしているのでリコールは無しとのこと。
社内基準を定めているけど測定値を改ざんしたのですから、その数値より悪い結果が出たからセーフラインの数値にした、ということでしょうね。で、社内基準は法令基準よりも厳し目に設定してあるから、少しくらい下回っても大丈夫なんです。ということが言いたいのでしょう。時計でよくあるクロノメーター規格は24時間の誤差が-4秒から+6秒とされていますが、「ウチはそれより厳しい独自の規格でやっていて、誤差は-2秒から+3秒です」という感じ。今回の日産に当てはめると、+5秒になちゃったけどクロノメーター規格内だから売っていいね、ということ。まぁ時計の世界ではその独自規格を謳い文句にしている場合がほとんどなのでそれを下回ったら完全にアウトなのですが、今回の日産の場合は社内基準も法令基準も一般人にはよく分からないゾーンなのでちょっと違うかも。まぁイメージとしてはそんな感じと思ってください。
とりあえず購入者に対する被害を考えると「ほぼ無し。気にしなくていい」レベルだとは思います。気分は良くないですが。しかし!日産の発表によればこの問題に関わったのは10人で、「法律に抵触していないと思った」と説明しているそうですが、そんなもんウソに決まってるだろ、と思ってしまいますよ。まともな人間なら基準を下回った個体があれば上司に報告し、まともな上司なら出荷しないのです。それを1ヶ所の工場ではなく5ヶ所でやっていたと言うのですから、統括している人間が「ちょっとくらい基準を下回っても大丈夫だから出荷しろ」(そんな直球では言わないだろうけど)と指示しているか、未出荷の車を出させない、納期を守れ的なプレッシャーをかけるルールがあるのかと想像してしまいますね。
それとは別に、非常に多くの部品から構成される自動車は、個体差もあるんだなーと思えます。設計上は基準をクリアできる。まるっきり同じものが複製できれば基準はどの個体もクリアできる。しかしそんなことができるはずはなく、個体差があるから最終チェックするのでしょう。不正があったのは1171台と発表されましたが、車種と期間が不明です。例えばこれが6ヶ月で10万台出荷した内の1171台というなら「個体差でクリアできなかった」というのは納得できますが、1週間で3000台の内の1171台だとしたら、それは設計や部品の精度に問題があるのでは?となりますよね。そのへんハッキリさせてほしいものです。
無資格の人が出荷検査していたのが問題になった2017年10月から1年経っていないのに、何やってんだよ・・・という感じ。ドラマや漫画だったこういうのは実際に検査していた人は上司に「やっても大丈夫」と言われたからやっていて、その上の上くらいにいるのがクソ野郎というのが定番かと思うのですが、実際はどうなのでしょうね。
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