ついにマツダ3に試乗できました!試乗したのはファストバックの15Sツーリング(6AT)。先代のアクセラから名前がマツダ3と変わり、かなり攻めたデザインになりました。強いプレスラインは無しで曲面によって陰影を出すこの手法は好みが分かれるところだと思います。発表されてから写真を見ていてアルファロメオっぽいか?と思っていましたが、似たサイズのジュリエッタはサイドに明確なキャラクターラインがあるんですよね。なのでマツダ3は何にも似ていない、オリジナリティの強いデザインと言えます。
実際の車両を見てみると、カッコイイとは思いますが「うおおおお!カッコイイぜ!」という気持ちにはならず。ボンネットを低く長く見せてあるのでスマートさは伝わってきますけど、シャープな旧アクセラの方が分かりやすくカッコイイかもしれません。マツダ3は少し目を慣らしていかないといけないのかも。
(一列に駐車してある車がグニャリと歪曲して映るドア)
車の周囲を歩きながら見ているとドア部分の窪みの反射は面白いです。町中でゆっくり走っていくマツダ3を見た時、このドアに映った景色が動いて見えると「おっ!」と思うかもしれません。それからCピラー付近は女性的でセクシー。ここは私のお気に入りのポイントです。デザイン的にトランクの開口部が高く狭めなのは仕方ないところか。
内装のデザインと仕立ては完全にクラスを超えたクオリティであり、ビビるレベルに達しています。15Sツーリング ファストバック(FF AT)の価格は約227万円。ダッシュボード、メーター、ハンドル、エアコン操作パネル、シフト周り、ドアなどなど、どこを見ても300~350万円クラスの質感を誇り、よくここまでやったものだと驚きます。唯一安っぽいと思えたのはグローブボックスの蓋部分。まぁこれは運転席からそんなに見える部分ではないし、他の部分の質が高するので相対的に安っぽく見えるだけかも。それから試乗中内装がピキピキとかパキパキ鳴ることはありませんでした。嫁さんのDJデミオも鳴りませんが、BMW 330eやMINIクラブマンはけっこうパキパキ鳴るんですよねー。この差はなんなんでしょうか・・・
(内装の写真は停めた方向が悪く明暗差が大きすぎて分かりづらい・・)
それからスイッチを押した感触にも拘ったという開発者のコメントを見た気がしたので、ステアリングやエアコンやコマンドダイヤル周辺などのスイッチを一通り触ってみましたが、なるほど、納得です。カッチっとしており良い感触。ドアの開閉音も嫁さんのDJデミオより気密性の高そうなドムッという感じ。しかしクラブマンの重厚さには敵わず。クラブマンのドアの閉まる音はかなり良い音だと思う。
運転席に座ると、座面のクッションはムッチリした感触。普段MINIクラブマンに乗っている私としてはこれを「柔らかい」と感じるワケですが、一般的には標準的な硬さだと思います。特にサポートの強いスポーツシートではないものの、腰や背中のフィット感は上々。
ではギヤをドライブにして電動パーキングブレーキを解除しスタートです。第一印象は乗り心地がしっとりしているというものでした。この印象は最後までそう感じたもので、マツダ3の乗り心地の特徴だと思います。感覚としてはもっと大きくて重い車、マツダでいうならアテンザを運転しているような、重厚感のある乗り心地。道路の継ぎ目を超えた時、そのショックを消そうとする柔らかい足ではないので「ドッ」と体に伝わってはきます。しかしこれが上手く角を落としたショックであり、ついでにダンパーが強力なのか後に残らない。体に伝わるショックの強さが同じでも軽やかな車は「トン」という感じですが、マツダ3は「ドッ」なのです。どちらも不快さは無いのですが、なんとなく上質に感じるのはマツダ3の方ですね。これは我が家のBMW 330eに近い感覚。最大のライバルと言われるVW ゴルフと比べると、ゴルフの乗り心地はもっと軽やかだった記憶があります。
ハンドルに伝わる感触は、路面のゴリゴリ感を消しつつ、でも分かる程度には伝えてくれるもの。曲がる為に切っていく感触もしっとししており、ただ軽い、重いではなくて良い車を運転している気がしてくるのが素晴らしい。実際のパワステの重さとしても軽すぎない、ちょうどいいアシスト量でした。直進性も文句なく(と言ってもMAX70km/hくらいしか出してないけど)、この感じなら高速道路も軽く触っているくらいで真っ直ぐ走ってくれそう。まぁ今どき100km/hで真っ直ぐ走らない車なんて無いと思いますが。
乗り心地が重厚に感じると書きましたが、ハンドルを切ればスッと曲がってくれます。街乗り試乗程度のスピードなので大したことは言えませんけど、真っ直ぐ走っている重厚感からどんな曲がり方をするんだ?と思っていたら、思いの外スッと曲がりコンパクトなハッチバックの美点が生きているように感じます。
パワーについては街乗りなら十分。非力だと感じることはまったくないと断言できます。回転も滑らかですし、排気音を室内に心地よく届けてくれる設定っぽい。6速ATもショック皆無でスイスイ変速してくれていました。上り坂で少しアクセルを踏み込んだ時、予想より早いタイミングでシフトダウンするのは負荷がかかると早めにキックダウンする設定なのでしょう。ディーゼルエンジンだともう少し粘ってからシフトダウンするのでしょうか。
遮音性はかなり高いレベルにあると思いますが、この日は暑くエアコンの風の音が大きかったのでハッキリ分かりませんでした。
ここでスペックを旧アクセラやゴルフ7と比較。アクセラからシャシーが新しくなったものの、現状はエンジンとトランスミッションはキャリーオーバーとなっています。ここで気になるのはアクセラ15Sと比較して60kg重くなっていることと、リヤサスがトーションビームになっているところでしょうか。普通に町中を走っている分にはリヤサスがトーションビームだから・・・と感じることは無いと私は思います。タイヤグリップを限界まで使うような走行時には差が出るのでしょうけど、そうでないのならデメリットは無さそう。そうなるとシンプル、軽量、低コストなトーションビームなのにアクセラ15S比で車重が60kgも重くなっている方が気になりますね。電子機器や遮音材が増えたからなのかなぁ。ちなみにカローラ スポーツのFF CVT車は1310kgなのでマツダ3と近く、ゴルフ7の1240kgはずいぶん軽いことが分かります。
長くなってきたで、次回、細かい部分の画像紹介とゴルフ7との比較なんかをしたいと思います。
更新しました。画像で見るMAZDA3 ファストバック 15Sツーリング
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