XC90、V90、S90に続き、ボルボの新世代プラットフォームであるSPAを使った中型SUV、XC60に試乗。現在はガソリンエンジンのみということでエンジンはT5。グレードは上級グレードであるインスクリプション、お値段679万円。ボディカラーはデニムブルーメタリックです。V60オーナーの私は、随分とガシッとしたボディによく動く足、軽やかな乗り味で、キッチリ現代的に進化したなーと感じました。今回は乗った感触を中心で、次回画像を踏まえながらエクステリアとインテリアを見ていくことにします。
まず乗り込む為にドアを開けるのですが、重みがあります。実際ドアを開ける力自体はスプリングで軽減されるのでそんなにいらないのですが、分厚いドアの見た目も手伝って「重厚」という言葉が浮かびます。そしてこのドアが閉まる音もまた重厚かつ程よい密閉度を感じさせるもので、色々試乗した中で一番高級な音に感じました。
内装のドリフトウッドはとってもいい雰囲気で、アイボリーのシート、半光沢のシルバーパーツと非常にマッチしています。これはイイ!と思ったのですがインスクリプションでないと選べないみたいでちょっと残念・・・オプションでいいからモメンタムでも付けられると喜ばれそうなんですけどねー。
シートはXC90と共通で、インスクリプションなのでベンチレーションも搭載するしっとりしたレザーシート。コンフォート系なのでサイドのサポートは程々ですが、お尻、背中のフィット感が良いですね。しかし腰にフィットせず、営業さんにランバーサポートの調整方法を聞いたら、こちらも電動調整だそうで、シート横のスイッチを操作するとメインモニターにシートのイラストが現れ、十字ボタンのここで操作するよ、と表示されます。他にも脇のサポートや太ももの前後も電動調整で、おまけにマッサージ機能も搭載。ちょっとマッサージを試してみましたが、バイブレーションではなく2個のローラーが腰の辺りをグリグリしてくれます。これは・・・アリかもしれないと思うあたり、私も歳をとったのでしょうw
エンジンは独特な滑り止めが施されたダイヤルを時計回りに捻ると始動し、これも90シリーズと共通ですがなかなか面白い操作方法ですね。ちなみにエンジンを切る時も時計回りに捻ります。けっこう固いシフトレバーをDに入れ走り始めるのですが、XC90の時に感じたのと同じように走り出しはとても軽く、V60よりも軽く走り出します。エンジンの低速トルクもあるのでしょうが、こういった軽く走り出す演出もあるのでしょう。
町中を大人しく走る限りは交差点を曲がる時も軽やかに曲がっていき、パワステのアシストが強めでハンドルが軽いのもこういった感覚を強めていると思われます。乗り心地はと言うと、ボディ剛性が強烈に高い!とは感じませんでした。もちろんユルくはなく十分な剛性が確保されており、V60と比較すれば車体が大きいのに剛性は高いと感じます。V60も決してユルユルではないんですけど。サスペンションはティグアン(GLCやX3に乗ったことがないので)と比べるとちょっとだけ柔らかめですね。よって突き上げは丸めこまれ、ダンピングはキッリチ効いているので揺れは最小限で、このあたりもXC90と似た感触。飛ばしてコーナーリングするとどんな動きになるかは試していないので予想になりますが、乗り心地から察するに多少ロールはすると思われます。
エンジンもXC90と共通ですが、XC90が軽く走るのですからXC60はより軽く走ります。トクルの出方、トルコンATのマナー共に問題無し。回転している感触がVWやBMWの2L直4ターボに比べて多少コロコロ感じるのは、まぁ仕方ないところでしょう。これについては本当に「少しコロコロした感触」という程度なので、注意していなければ気にならないかもしれません。軽い加速、60km/hでの定速走行中の静粛性はかなり高く、ここは非常に快適でした。ブレーキはけっこう踏んで効かせるタイプでしたね。最初は思ったより止まらないと感じますが慣れでしょう。
ちょっと気になったのは、アイドリングストップの復帰から動き出す時に、ポンと走り出すところです。オートブレーキホールドはオフで乗っていたので、ブレーキを離せばエンジンが始動し、そのままクリープ現象で動き出すのですが、この時スーッではなく、わずかにポンと走り出すんですよ。この原因はエンジン再始動のスピードか、トルコンでしょうか?単に個体差だといいのですが・・・ちなみにエンジンが冷えていてアイドリングストップしなかった時には気になりませんでした。あとはブレーキオートブレーキホールドを使えば解消するのかもしれません。
外観は押し出しを強めゴツくなっていく輸入車SUVの中ではシンプルでスマート。でもちゃんと力強さも感じるいいサジ加減のデザインだと思います。内装も独特なセンスでお洒落。乗るとドイツ車ほどガッシリした感覚は無いものの、その少しだけソフトな感触は悪いものではなく、リラックスして乗れそうです。ハンドリングに過敏さはなく少しおっとり系なので、のんびり走ったり高速道路をクルージングすればさぞ気持ちいいだろうと思います。室内も静かですしね。しかし決して鈍重なことはなく曲がり始めれば軽やかに曲がるので、車の動きを予想して操作してあげればスイスイ軽快にも走れそう。
試乗したことない車ばかりですが、ライバルと比較表を作ってみました。こうして比べるとサイズ、重量、パワー、価格、まさにガチンコ対決。強力なブランド力を誇るドイツ勢ですが、上でも書いたようにスマートな外観と洒落た内装(シートカラーが選べるのもボルボはGOOD)、のんびり走らせたくなるキャラクターでどこまで戦えるか楽しみですね。ボルボは長距離移動が得意なブランドというイメージですが、実際私もV60での長距離移動は疲れが少なく快適に感じます。家にBMW F30 330eがあるのでよく乗っているのですが、長距離走るならV60の方が楽ですね。BMWが悪いワケはないのでしょうが、V60のどっしりしたハンドル(けっこう重い)、直進性、座り心地のいいシート、ちょっとダルいハンドリングなどが感覚に合っているのでしょう。自分の車ということで慣れもあると思いますけど。なのでXC90もV90もXC60も長距離を走らせてみたいところなのですが、試乗でそれができないのが残念です。
あのインテリに包まれて、あのシートで長距離を走る・・・妄想すると、とっても楽しそうですね!
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