父のF30 330eが1回目の車検で、その代車がX2だったので2時間ほど走らせてみました。X2について前知識はあまり無く、X1のバリエーションモデルでありMINIのクロスオーバーの兄弟という感覚。エンブレムを確認すると「xDrive20i」なのでガソリン車のAWDであり、18iよりハイパワーモデル。ホイールがゴツいのでMスポ、タイヤは19インチのダンロップ スポーツマックス ランフラット。ドアを開けて中を覗き込むとレザーシートです。たぶんこれはオプションで、シートヒーターとパワーシートがセットになったハイラインかコンフォートパッケージと思われます。ついでにヘッドアップディスプレイとパワーテールゲートも付いており、サンルーフ以外は全部装着したようなゴージャス仕様。
運転席に座ってみるとレザーの質は分厚く丈夫そうなBMWっぽい触り心地です。座っても固めですね。高級感は柔らかなレザーの方が出るけど、安っぽくなく丈夫そうでこういうレザーシートはいいですね。多少滑るけどツルツルではないのでそのあたりも心配無用です。シートとステアリングとミラーを合わせ、他のBMW車と同じ仕組みの電気式シフトレバーをDにしてスタート。ヘッドアップディスプレイはフロントガラスに投影されるタイプで視線の移動が少なく速度が分かるので良し。
走り初めてまず感じるのはサスペンションの固さ。車検シールを見ると登録は2019年11月であり、走行距離は890kmなのでバリバリの新車と言っても過言ではないこのX2は19インチのランフラットということも手伝ってか、ゴツゴツというショックをなかなか素直に伝えてくれます。私は固い足回りにはけっこう寛大と言うか、フワフワするくらいなら少々固い方が好きというタイプなので「こういうものか」で流せますけど、サスペンションのヤレた古いファミリーカーからの乗り換えなんかだと「なんじゃこのゴツゴツは!?」と驚くかもしれません。
全然スピードは出せませんでしたがワインディングっぽいところを走らせてみたところ、ステアリングを切れば素直に曲がってくれるしロールも少なく安心して運転できそうな気はします。そういう場所を走らせることに楽しさを感じる、かつ荷物をそこそこ載せたい、見た目は流行りのSUV(BMW的にはSAC「スペース・アクティビティ・クーペ」)でアクティブな雰囲気が良い、という人向けの車みたい。この乗り心地の固さについて考えると、新車のサスペンションの動きが渋い、タイヤが重いし固いという2つが思い浮かびます。私のクラブマンは2年14000km走ってずいぶん乗り心地が良くなった気がするんですよ。なのでそれくらい走らせれば幾分マイルドになるとは思いますが、デカくて重いタイヤが動くのは乗り心地面で不利だし、ついでランフラットですからどこまで良くなるかは未知数。ありきたりな言い方ですがショックの角は取れているので体の芯までガツンとくることは無いのが救いではあるもののしなやかとは言い難く、この乗り心地は必ず試乗して確認すべきだと思います。2シリーズアクティブツアラー 218d ラグジュアリーで今回と同じ道を走ったこともありますが、こちらの乗り心地はもっとしなやかで好印象でした。BMW的には2シリーズアクティブツアラーこそファミリーカーであり、X2はSACなので走りに振ったセッティングなのかなぁ?X2のMスポではない仕様だとどんな乗り心地になるか気になるところです。
(1年前に代車で乗った2シリーズアクティブツアラー。その時の記事はこちら)
静粛性は非常に高く、室内はF30 3シリーズよりも静かかもしれません。ロードノイズの高めの音が上手く抑えられており、風切り音も無しと言えるレベル。こういう部分は高級車だなーと感じますね。気密性が高くガラスの遮音も高いのか、救急車のサイレンが聞こえづらいデメリットになるくらい静か。まぁそれはクラブマンも330eも同じなんですが、クラブマンはロードノイズが五月蝿いんですよねー。
エンジンの方は低回転からトルクがしっかり出ているし回転も滑らかでグングンスピードが乗って快適そのもの。そういえば新型1シリーズのガソリン車はDCTになっていますが、X2ってトルコンだっけ?DCT?と注意深く観察してみました。渋滞でストップ&ゴーを繰り返したり、止まりそうかと思ったら進んだりというのを繰り返す場面では特にクセが無くトルコンっぽいけど最近のDCTはこの辺も上手くやるからなぁ・・・でもワインディングでシフトダウンした感じがDCTっぽいキレの良さを感じたのでDCTだ!ということにしておいて帰宅後BMWの公式サイトで調べたところ、20iは8速のトルコンでした。あら、外れちゃいましたね。でもDCTかと思うくらいキレの良いシフトダウンをしてくれる、ということですよ。ちなみにX2でも18iは7速DCT、18dは8速トルコンです。中古で買う場合DCTには故障の恐怖がつきものなので20iか18dを選ぶのが吉。
価格について考えてみましょう。xDrive20i M Sportの新車価格は2020年3月現在528万円。オプション無しでこの価格なのでこの個体は570万円くらいになるはず。かなり高価なんですね。が!BMWには新古車がある!そこで新古車をサラっと調べてみると、初年度登録が2019年前半で走行距離5000km前後のが沢山あるではありませんか。ディーゼル車がちょっと多め、値段もバラツキがありますが350万円あればそれなりに選べそうです。非Mスポだと318万円なんてのもありますから随分手を出しやすい価格になってきますね。こうなると新車を買うのがバカらしくなってきます。(新車の値引きもかなりあるでしょうけど)1万kmくらいの本格的?な中古車が新車の国産SUVと価格で競合することもあると思いますし、そうなると面白い選択肢だと思います。
上の画像は私がドラポジを合わせた後部座席の様子です。運転席の前後位置はかなり前の方ですが、けっこう後部座席も広いし乗り降りしずらいとも感じません。クーペ風SUVですが実用性はなんら犠牲になっていないんですね。(斜め後方の視界は悪いけど)なのでファミリーカーとして使うのも十分にアリだと思いますが最初に書いたように足は固いので、自分と家族がそれを許せるか、もしくはワインディングを気持ちよく走らせる楽しみが勝るのかというのを考えて試乗してみるべき車だと思いました。私個人的にはこのくらいの固さは許容範囲内ですけど、運動性能を重視するなら車高も全高も低いワゴンを買いますね。もしかすると仕様変更でひっそりと足が柔らかくなるかも?なんて思ってしまう試乗でした。
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