フォルクスワーゲンの5ドアクーペであるアルテオンに試乗してきました。画像を見てカッコ良さそうだとは思っていましたが、実物はさらにカッコ良し!VWお得意のシャープなプレスラインとグラマラスなリアフェンダーで陰影ができ、見る角度によって表情を変える実物はやはり違うワケで、起伏の大きいこの手の車は画像と実物を見た時の差が大きいですね。
試乗の様子を動画でも。
画像はDP2メリルで撮影。大きめサイズで掲載しているのでクリックして拡大できます。ボディカラーはパイライト シルバーメタリック。私のイメージする「よくあるシルバー」よりも少し暗めのトーンで、渋さがあります。陰影も強く出ますね。ターメリック イエローというカラーがアルテオンにはあり、このクラスでイエロー系というのは滅多にありませんから、その冒険心には拍手を贈りたいです。なんとなく2年後くらいに無くなっている気もしますが。
試乗車はRライン 4モーション アドバンスという豪華装備版で599万円。通常のRライン 4モーションは549万円。
ドアノブは厚みのあるもので、握り心地良し。高級な車だ、という感じがします。ただこれはゴルフにも言えることで、よく似た握り心地なんですよね。アルテオンはサッシュレスドアであり、ドアノブを少し引くとサイドウインドウが10mm程下がります。これは乗り込んでドアを閉めると元の位置に戻るのですが、この時の動きも素早くシャッと動き、高そうな車だなーと感じたり。サッシュレスドアの車に乗るのが久しぶりなだけの気がしますが。ロードスターRFのサイドウインドウも同じ様に素早く動きGOODでした。
シートはナッパレザーのスポーツタイプで、この前乗ったゴルフRとよく似た感触。しっとり柔らかい質感のレザーは滑りづらく、シートのクッション自体はやや固め。太もも、腰のサポートは見た目の通りしっかりしており、体の収まりが良いですね。
ギヤをドライブに入れて走り始めますが、低速でのDSGのマナーはもう慣れたもので、トルコンと変わりない発進をしてくれますし、徐行から加速するような場面でもドンと繋がったりせず、素晴らしいの一言です。私のV60は徐行から加速する時に非常にゆっくりアクセルを踏まないとドンと走り出すのです・・・
ディーラーから車道に出る時に段差があるのですが、これを軽やかに、車体が揺れずにトントンとクリアしていくアルテオンは、きっといい車だ、と期待が高まります。ゴルフもティグアンも同様の印象ですが、UP!だけは少しゆさっとなった記憶があり、このあたりは車格の差を感じる部分ですね。
走り出すと、まずとてもスムースにエンジンもタイヤも回っているなーというのを感じます。これもゴルフやティグアンの時に感じたもので、最近のVWは滑らかに走るというのを極めたのかと思います。乗っていると重厚感は感じず、軽やかと表現したくなる感じでした。静粛性、特にロードノイズについては超静かとまではいかないものの、十分に快適なレベルで、ゴルフと同等か、ちょっと静かかな?という感じ。遮音素材を変えたり増やしたりしているはずですが、車重が重く、タイヤも太い為にこういった結果なのかなと思います。
乗り心地は理想的でしたね。突き上げは少なく、段差を超えた後の収まりは一発。リヤに大きな開口部を持つ大きな車ですが、ボディ剛性は十分に高いと思います。この乗り心地は標準装備のDCCで大きく変化させることができ、一番柔らかくすると、確かに突き上げは少なくなる、と言うか、角のある段差が丸くなったかのような動きになるのですが、その後の収まりが一発で決まらず、少しフワっと残るように。反対に一番固くすると、明確に突き上げは強くなります。それでも私はさほど嫌だとは感じませんでした。固いけどサスペンション自体はキチンと動いており、ボディも余裕でそれを受け止めているのでしょう。まぁそう言いつつ、普段乗るなら中間のノーマルが一番かなーと思うのですが。DCCでサスペンションを固くしても不快でない、という点もゴルフGTIやRと同じでした。しかし柔らかい方はより柔らかくなり、そこがゴルフとの違いですね。尚アドバンスのホイールは20インチという特大サイズで、タイヤサイズは245/35R20なのですが、サスペンションノーマルで乗っていればそんなデカイホイールを履いている感覚はありません。スポーツで突き上げを感じるのも、それがタイヤのせいというよりはサス自体が固いからだと感じました。
エンジンはゴルフRと同じDJHという形式のもので、2000cc直列4気筒ターボで280馬力と35.7km-mを発生させます。比べれば6気筒エンジンのような緻密に回る感覚は劣るのかもしれませんが、十分にスムースに回ります。ゴルフRから少しパワーは絞られているもののその性能は十分で、アルテオンを軽々と発進させ、グングン速度を乗せていく様には余裕すら感じます。車両設定でエンジンをスポーツモードにすればレスポンスは強烈に良くなり、ついでにエンジン音もスポーツにすれば低くワイルドな音となり音量自体も大きくなる(増幅させた音をスピーカーから出しているっぽい)のですが、これは五月蝿いことはなく常識的なな範囲内。シフトアップ時のブオッっという息継ぎのような演出?とDSGの完璧なシフトチェンジも相まって、ついついアクセルを踏み込みたくなります。踏めば簡単にスピードが出てしまうのであまり踏めないのが残念なくらいで、アルテオンというエレガントな5ドアクーペに乗っているのを忘れそうになります。
エンジンをスポーツからノーマルに戻すと、同じアクセルの踏込み量に対して随分と加速が大人しくなり、暫くの間かったるいとも感じるので、ノーマルとスポーツの差はけっこうありますね。スポーツのエンジン音もちょうど気分がいい程度の音量なのですが、ノーマルにすると静かになったとすぐ分かるので、こちらもそれなりの差がちゃんとあっていいですね。BMW 330eのスポーツモードは変化が小さいので、これくらいの演出があってもいいのでは、と思ったり。
随分長くなってきたのでまとめ的なものは次回に続く、とさせてもらいます。
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