家族5人で兵庫県へ一泊旅行してきました。初日は加東市の東条湖おもちゃ王国で遊び、併設されるホテル グリーンプラザ東条湖で一泊。翌日、神戸市立須磨海浜水族館、ハーバーランドを観光して帰るという流れです。往復約450kmの移動で、距離的にはそんなに長くないけど久しぶりにクラブマンで高速を走ったので感想なんぞを書いていこうと思います。今回は5人フル乗車(一人は5歳児)であり、合計体重は220kgくらい。この状態で高速道路走るのは初めてでした。
おおまかな感想は以前書いた「長距離も得意 F54クーパーSDクラブマンで片道320km走った感想」と変わりません。まず最初に悪い部分を書いておくと、ロードノイズが大きい。道が悪ければどんな車でも多少音量は上がるのは仕方ないけど、風切り音やエンジン音は静かなのでここだけはどうにかしてほしい部分。純正で履いているブリジストン トランザが五月蝿いのか?と疑ったこともありますが、1泊2日で借りたMINIクロスオーバー クーパーSEが同じトランザを履いており、こちらはずいぶん静かだったのでタイヤのせいではないと確信しました。長距離移動が得意な車なだけに、ロードノイズはもう少し抑えてほしいものです。
あとは良いところばかり。直進安定性が素晴らしく、ハンドルから手を離しても矢のように真っ直ぐ突き進みます。この直進性と安定性は大型トラックに追い抜かれる、抜かす、トンネルを出た直後の横風など、風の影響を受けてもそれを感じないくらいで、低い全高と強靭な足回り、そしてMINIの中では長いホイールベースなどのが効いているのでしょう。空力的には・・・決して空力を突き詰めた車には見えないけど悪くもないような気もします。まぁ200km/hくらい出さないと体感できず、燃費の良し悪しに影響しているだけかもしれませんが。
(フロントタイヤハウス付近の空気の流れを整えるダクトも少しは効いているのかも)
乗り心地については、流石に5人乗車だと「少しアタリが柔らかくなったな」と感じます。道路の継ぎ目を超える時のコンコンというショックがいつもより少ないんですよ。ある意味快適です。その上でダンパーの容量が不足して動きの収束が悪いなんてことはありませんから、単純に快適性だけなら1人で運転しているよりフル乗車の方が上かも。1人80kg5人で400kgだとどうなるか分かりませんがw
次はコーナーリング性能です。山の近くではカーブが増えますが、少ない舵角で外に膨らむことなく曲がる安心感アリ。ジャンクションの大きなカーブも膨らまず曲がります。一人で運転している時より170kg重いのにジャンクションで外に膨らむ感覚はほぼ無く「いつもどおり」に曲がるあたり、まだまだ余裕がありそうです。適度に重さのあるパワーステアリングも安心感があっていいですね。私のクラブマンはFFで、移動中雨が降った区間もありましたが安定感に不安は無し。恐らく普通に乗る限りFFとALL4(MINIの4WD)の差というのはさほど無いのでは?と思います。差が出るとすればジャンクションの急カーブでアクセルを踏み込んで加速しながら曲がる時くらいか。一人で運転しているならちょっとくらい試してもいいけど、家族を乗せているからそんなことはできません。ハンドリングが鋭いと気を使って疲労が溜まるか?と心配については、安定性が勝っているのでむしろ安心して曲がれる分だけ疲労は少ないくらいです。
エンジンも良いです。クーパーSDのパワーとトルクは190psと400Nm。現在の2000ccディーゼルエンジンはVWもメルセデス・ベンツもボルボも各社申し合わせたように似たような出力ですが、クラブマンは重量1490kg。これがXC60みたいなSUVだと1800kg以上あるのでクラブマンのフル乗車でも空車のミドルサイズSUVより軽いことになり、パワーに余裕があります。日本の自動車専用道路は山沿いに作られているものが多く、そういう場所ではアップダウンが多い。そんな時ディーゼルの強力なトルクの良さが実感でき、アクセルを少し踏み込むだけで負荷の高い高速の上り坂をグイグイ登っていくのは「ああ、ディーゼルっていいなぁ」と思う瞬間です。追い越し加速もお手の物。アクセルを踏み込めば平地だろうが上りだろうがスーッと速度が上がり、追い越しを素早く終わらせ走行車線に戻れます。この加速と安定しつつよく曲がるハンドリングなので走行車線から追い越し車線に出て戻るという行為が苦にならず、むしろ楽しいくらいでした。それからディーゼルの欠点である加速時のイガラっぽい音と回転上昇が遅くて速度が伸びないという特徴について。全開時の速度の伸びに関しては190psというパワーそのもので、遅くもないし早くもないです。しかし今どきのディーゼルはそれなりに高回転まで回るし、その回り方もシューンと形容できるものなので安っぽい感じはありません。音も高速走行時はロードノイズが大きく、ディーゼルのガーガーといった音は耳に届きませんから悪い部分は隠れ、良い部分だけ感じやすいと言えます。
燃費は通勤で100kmくらい走り、神戸まで往復して550km。これで20.2km/Lと表示されていました。通勤時は17.8km/Lくらいで走っていることを考えると高速道路は21~22km/Lくらいで走っていたっぽい。神戸市街地と高速道路でノロノロ運転していた区間が20kmくらいありましたが、フル乗車でも燃費の悪化というのは少ないですね。速度については、まぁ許される程度の速度で走っておりました。
車が変わると「ちょうどいい速度」というのも変わるもので、ボルボV60の時よりクラブマンはスピードを出したくなります。日本の法定速度なんてどちらの車でも超余裕レベルだけど、同じ100km/hでもクラブマンの方がかったるく感じるんですよ。クラブマンにもアダプティブ・クルーズコントロールが搭載されており、急な割り込みさえなければ使える性能なのでクルコン任せで淡々と走ってもいいのですが、どうも自分で操作したくなるのがクラブマンなのです。遅い車はさっさと追い越しながら走るのが気持ち的にイライラしなくて済むと私は思います。
後部座席の快適性はどうなのか?フル乗車すると後部座席の真ん中の人は「背中が痛い」と言っておりました。ゴツいチャイルドシートが1つ付いているので、そのせいで真ん中の人は肩をすぼめるような姿勢になるのがキツイらしい。
(サイベックスのチャイルドシート)
真ん中の人はチャイルドシートが無くてもちょっとキツイかもしれませんが、4人乗車なら2、3時間くらいの移動は余裕だと思います。後部座席のスライドやリクライニング機能はないけど、良い姿勢で座ることが大切なのでリクライニング機能はいらない、というのが私の考え。クラブマンの後部座席はバックレストがやや立ち気味で姿勢良く座れます。トランクも5人で1泊ならジャストでした。荷物の量次第ですけどね。今回は初日に遊園地のプールで遊ぶということでバスタオルや水着を積んで行きましたが、床下収納が大きいので、ここを使えばお土産を追加した帰り道でも普通に積めましたね。
クラブマンのトランク容量や後部座席について、詳しくは「F54クラブマンのトランクサイズを測る」で紹介しています。
ということで、不満点はロードノイズが五月蝿いことのみ。安定性とハンドリングが素晴らしく、ドライバーは楽しいのに疲れない。加速と燃費は満足、積載力もまずまず。渋滞したらクルコンも使える、すべてを高いレベルでクリアしてくれる車。それがF54 クーパーSDクラブマン。デザインが気に入って予算が許すなら、これほど面白くて日常的にもツーリングにも使える車というのは珍しいのでは?と思います。うーん、やっぱクラブマンはいい車!
コメント
とても参考になります。
by 零 2020年9月1日 7:36 PM
コメントありがとうございます。またクラブマンについての記事も書いていきますね。
by mumu 2020年9月4日 9:17 AM