我が家の330e(F30)が2回目の車検でした。その代車で320d(G20)が来たので嫁さんと25kmほどドライブ、そして通勤で25kmの合計50kmほど走らせてみたのでその感想を書いてみようと思います。G30は以前に318iを運転したことがあるけど今回はディーゼルということで違った楽しみがありますね。果たして振動や遮音性、乗り心地はどんなものでしょう?
代車はわナンバーのレンタカーで2019年6月登録、走行距離17300km、グレードは320dの「素」みたい。この時代のディーゼルモデルにはMスポ設定が無かったみたいです。タイヤはトーヨーの17インチスタッドレスを履いており、これが非ランフラットだった為か第一印象は「おっ?乗り心地がソフトで良いなー」というものでした。段差をムチっとした感触のタイヤが吸収している感じで、我が家の330eはMスポなので18インチだしランフラットなのでタイヤの差というのはけっこう影響がありそう。スタッドレスなのでミョーにハンドルが軽く路面の感触も伝わり方も薄いけど、曲がり方自体は軽快でスイスイ曲がっていくといった感じでした。
インテリアの様子。素のグレードだからと言って特別安っぽい感じがしないのが良いですね。ステアリングのデザインとレザーの感触がMスポとは異なり、マットでサラサラしたMスポのレザーと違って少しだけ握りが細くしっとりした感触という感じ。握り心地は素の方が好きかも。(もしかしたら17000km走る間にこういう質感になったのかもしれないけど)
広角にしたら袖が入ってしまった・・・シートはファブリックの普通のシートで腰や肩のサポートは少なめ。ぶっ飛ばす訳ではなないからこれで十分だし質も悪くありませんが、Mスポシートの体がすっぽり収まる感触の方が心地良いかな。
エンジンの方はアイドリングから低速では確実にディーゼルだと分かる音と振動が出ていますが、少なめなので私はあまり気になりません。我がクラブマンに比べれば半分くらいまで抑えられているでしょう。アクセルを軽く踏めばモリモリとドルクが湧き出て、軽い加速なら1600rpmくらいで8速ATがシフトアップして速度を上げていきます。レスポンスはノーマルモードだと鋭く設定してあるのか、私にとってはエコモードでちょうどいいくらいでした。クラブマンのエコモードはダルくて使う気にならないんだけどなぁ。それからロードノイズが抑えられていて車内が静かなんですよ。これはF30より大きく進化した部分で、50km/hを超えたあたりからディーゼルのおおらかなトルクを感じて静かにクルージングするのは幸せでした。非ランフラットのスタッドレスという乗り心地の良さそうな組み合わせも効いており、ツーリングセダンとしてかなり高得点だと思います。反対に掌やお尻に路面を感じながら走るにはちょっとマイルドすぎる気もするので、この場合はガソリンのMスポの方が合いそうです。
発売当初から現在までディーゼルは4WDのみの設定でFRモデルは輸入されていないみたい。素のグレードですがマフラーは左右2本出しでクロームの太いマフラーカッターが付いているし、内側のパイプも太くマフラーカッターにぴったりフィットしているので見栄えが良いです。
以前代車で乗った318i Mスポーツ。マフラーは同じですがバンパーの形状が違うしホイールの見た目も手伝ってスポーティーに見えます。
給油後のデータを見ると約11時間の運転時間、平均速度27.3km/hで平均燃費が15.2km/Lということでしょうか。わりと寒い時期にこの燃費ですから春や秋なら16km/Lは超えると思うし、高速道路なら20km/Lも狙えるっぽいですね。どんな4WDシステムなのかよく分かんないけど、燃費は良さそうなのでスリップしない限りはFRで走るタイプでしょうか。運転していても前輪が駆動している感はありませんでしたし。
気になったのはダイヤルコントローラー周りのボタンを押すと「パコンパコン」と音がすること。私が操作していたら嫁さんが「何の音?」という感じでキョロキョロしていたので気になるようで、高級車らしからぬ安っぽい音はいただけませんね。1枚のパネルに文字が書いてあるだけなのでブラインドタッチもしづらくコントローラー周りの操作感はF30から劣化したように思います。ウインカーレバーの操作感もF30の方がカッチリしているし。
ハンドル操作までしてくれる追従クルコンも少しだけ試したのでお話しましょう。この手の機能は主に信号や交差点の無い高速道路やで真価を発揮するものであり、今回は片側1車線の道を数キロ走らせただけなので参考程度に聞いてもらえると幸いなのですが、まず前の車との車間の追従性は良かったです。前が減速しはじめるとこちらもすかさず減速し、ブレーキが遅くて本当に反応しているのか?という不安がほぼありません。ではハンドル操作はどうかと言うと、こちらは車線内を左右にフラフラして気持ち悪い感じでした。道はほぼ真っすぐなのですが少しづつ右に寄り、それを修正する為に左に動くけど行き過ぎて右に修正というのを繰り返すんですよ。小さな修正なので後ろの車から「あいつフラフラしているな」と思われるレベルではいけど、乗っている私には確実に分かるレベルでした。夜で白線もかすれているという状況が悪い可能性があり、昼間のバイパス道路や高速道路ではどんな動きになるか試してみたいものです。
ということでG20 320dの試乗のまとめです。17インチの非ランフラットスタッドレスを履いていた為、18インチランフラットサマータイヤのF30との直接比較は難しかったけど、静かで乗り心地がソフトだったのでディーゼルの燃費の良さもあり長距離ツーリングに最適な車だと思いました。ただ以前G20 318i Mスポーツに代車で乗った時には乗り心地がソフトだとは感じなかったので、サスとタイヤの影響は大きいかもしれません。個人的にはこれくらいの乗り心地が好みなのですが、BMW 3シリーズというスポーツセダンの代表的なキャラクターからするとMスポの乗り味を好む人が多いのかも。見た目はMスポが好きなんだけど乗り心地はもうちょいソフトな方がいいという人には悩ましいところですね。私の好きな自動車ジャナーナリストである清水草一さんは自分のF30に非ランフラットを履かせたらイマイチ合わなかった的なことを言っていたと思うのですが、私もその考えには賛成でした。だってランフラットを履かせる前提で設計された車なのですから。しかし今回非ランフラットのスタッドレスを履いたG20に乗ってみると、ハンドリングは普通に町中を走る限り悪くないし、段差のアタリが優しくてわりと理想的だったのです。少し足りないと感じたのはステアリングから伝わる路面の感触が薄いことだったので、非ランフラットのサマータイヤにしたら路面のインフォメーションはしっかり伝えてくれ、乗り心地も悪くない理想的な車になるのかも?なんて思った次第です。最初から非ランフラットだったらこんなこと考えなくて済むんだけど、この先もBMWはずっとランフラットでいくんでしょうかねぇ?
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